芯作り
、、、服の芯の役割りは そのジャケットの用途が尽きるまで、確りと崩れることなく保っている のが理想だと思ってます。
身体にフィットさせるために、表地にダーツを入れて絞ったり、胸のボリュームを入れたり、クセを取ったりして立体的に造った物を、芯を据えることによって、裏から押し出して支え続ける、芯にはそんな重要な役割りが有ると考えてます。
けれども、硬くなって折角の表地が負けてしまう様では、着にくい物になりかねません。柔軟かつ立体感有る芯造り目指して型崩れし難い服造り目指してます。
キッドモヘア60のトニック
ヴィンテージな服地の代表は、私的には
やはりトニックモヘアだろうなぁ。4〜50年前は全盛だった。モヘア特有の光沢と張りを有し軽さも有って、好まれた服地。
より糸で織ってるから隙間も出来て、通気性も良く、しかも軽くて合夏服の王座だった。
久しぶりで縫ったが、確り織られていて弾力性が有り、今流行りの柔らかい生地とは全く違って、作り馴れないともて余してしまいそうな服地、、こんなだったかと改めて王座と格闘したこの夏を振り返った。いやぁぁ疲れました。
バスト106㎝ウエスト106㎝
足踏みミシン
本郷の先輩ティラーから、断捨離してて暫く使わない足踏みミシン有るけど貰ってくれないって言われて、戴いたミシン。油充分に湿して1ヶ月。土日の休みのいずれかに来る生徒が、興味を持ちだし触りだした。いわゆる103と言われた工業用なので、三人共に手こずり二人はお手上げ。一人は家庭用を持っているので何とか対応。自身駆け出し頃は普通に掛けてたが、50年ぶりだからどうにか掛けられホッとした。足踏みの良いところは、馴れれば、ゆっくりと、繊細な部分を自分のテンポで掛けられることでしょうか。加えて運動不足を補ってくれるかも。
勿論モーター付きでも、ひと針ひと針スローに掛けられてますが。
若い連中が興味を示すのは、見慣れない物とメカニズムに憧れ、触って操作して見たい衝動にかられるんでしょう。他の生徒にも連鎖してして行くでしょうね。
スーツの芯
芯は多くの製品の大切なパーツであることは揺るがないわけですが、スーツにも芯が在ってなおざりできない部位です。
素材は毛芯と言って専用に有り、横に張のある、黒以外は染色のない元毛色が主流です。一般的には(出来芯)と言って加工して出来上がった物を仕入れて、芯として使ってます。
何故ならば、その加工に時間がかかり、とても一着一着作っては要られないのが、実情でしょう。ずっと以前は、多くのティラーは見習いがいて、余力も有ってまた、手習いの材料として、芯作りをさせられたものてす。
針使いの練習には最適だったわけです。
当店では一年近く修業してくると、作りに当たらせますが中々そこまで到達する生徒がいないのが現状、従って私の手習いになってます。(>_<)
お腹回りの出ぐあい、胸回りの発達状態、
肩からボタン位置までの距離、等お客さんによって皆違いますから、フルオーダーは全てその方に合わせて未だに作っております。
たっぷり1日掛かってしまうのが一寸辛いですが仕上がった芯を観て にんまりと納得(^o^)v\(^^)/今回はそこを少しアップします
ベビーアルパカ&シルク混ジャケット
昨日からジャケットの本縫いにかかってます。生地はイタリアのFerla社製ツィード。
ベビーアルパカは、生後一年未満にかる毛で、アンデス山脈の羊飼い達から、「神様に捧げられた繊維」と言われているそうです。
アルパカ全生産量の僅か1,5%と極めて珍しい素材。最高の柔らかさ、くるむような暖かさ軽く心地よい手触り、に加えて皺になりにくいのが魅力。豊富な配色を持つ独特な織物に挑戦しつつ寄り添って、生地の味を大切に引き出して、着心地良い服に仕上げたいと望んでいます。
仮縫いが終るとこのように全てほどいて、二枚づつ重ねて柄合わせをします。
4㎜のチェックに加え柔らかい服地なため、二本糸の躾糸で動かないように柄合わせします。偉い時間を要しました、、、
ヘリンボン サマースーツの大直し
芯が全く入ってなかったジャケットだったので、内側からの張りが無くしわになってしまうため、軽く羽織る、一重のジャケットなら多少だらっとしてても、マァッいいかと着られるが、スーツとなると、それもネクタイしてとなると気になってきます。
すっかりほどいてバラバラにしてしまったため、果たしてまとまるかなと心配がよぎったが、何とか着られる様になりホッとしてます
幸い手縫いのオーダーメイドだったので、縫い代が有り助かりました。
早速お越し戴いて着てもらいましたので、アップしました。