51年前に仕立てた礼服のメンテナンス
このパンツは、私が修行中の頃、51年前(1960年)に叔父に仕立てたものです。
先日お会いした際に、ファスナーが閉まらないので広げてほしいという依頼をいただきました。叔父は現在90歳ですが、未だに私が仕立てたパンツを愛用していただけたことに大変嬉しくなりました。
メンテナンスはウエストを6センチ広げます。
生地はドスキンです。ホコリが付きやす生地なので、お客様でのメンテナンスが大変なのですが、大事にしていただけたようです。
礼服の話を少ししますと、35年ほど前まではドスキンは一般的な生地でしたが、現在は埃が付きにくいタキシードクロスという生地が主流です。
もちろん、現在はドスキンファンの方のために改良されてより埃の付きにくいものもでてきております。ドスキンの特徴は表面が毛羽立っているので、これで作った礼服はよりソフトな感じが演出できます。