熟練オーダースーツ職人ブログ|テーラーミヤサカ

職人歴60年を越えましたが、現役でスーツをお仕立てしています。全日本紳士服デザイナー協会会員になりました。

芯作り

、、、服の芯の役割りは そのジャケットの用途が尽きるまで、確りと崩れることなく保っている のが理想だと思ってます。 身体にフィットさせるために、表地にダーツを入れて絞ったり、胸のボリュームを入れたり、クセを取ったりして立体的に造った物を、芯を…

キッドモヘア60のトニック

ヴィンテージな服地の代表は、私的には やはりトニックモヘアだろうなぁ。4〜50年前は全盛だった。モヘア特有の光沢と張りを有し軽さも有って、好まれた服地。 より糸で織ってるから隙間も出来て、通気性も良く、しかも軽くて合夏服の王座だった。 久しぶり…

足踏みミシン

本郷の先輩ティラーから、断捨離してて暫く使わない足踏みミシン有るけど貰ってくれないって言われて、戴いたミシン。油充分に湿して1ヶ月。土日の休みのいずれかに来る生徒が、興味を持ちだし触りだした。いわゆる103と言われた工業用なので、三人共に手こ…

見習いの生徒模様

以前は、この道の職人に生りたいという目的の志望者が殆どだったが、最近の傾向は一般企業にお勤めの方が、休みの日に一寸習ってみたいと訪れる。働き方改革で残業が減ったり、土曜日曜の休暇が確り休めるようになって、時間が余り、趣味の幅が広がったのか…

スーツの芯

芯は多くの製品の大切なパーツであることは揺るがないわけですが、スーツにも芯が在ってなおざりできない部位です。 素材は毛芯と言って専用に有り、横に張のある、黒以外は染色のない元毛色が主流です。一般的には(出来芯)と言って加工して出来上がった物を…

ベビーアルパカ&シルク混ジャケット

昨日からジャケットの本縫いにかかってます。生地はイタリアのFerla社製ツィード。 ベビーアルパカは、生後一年未満にかる毛で、アンデス山脈の羊飼い達から、「神様に捧げられた繊維」と言われているそうです。 アルパカ全生産量の僅か1,5%と極めて珍しい素…

ヘリンボン サマースーツの大直し

芯が全く入ってなかったジャケットだったので、内側からの張りが無くしわになってしまうため、軽く羽織る、一重のジャケットなら多少だらっとしてても、マァッいいかと着られるが、スーツとなると、それもネクタイしてとなると気になってきます。 すっかりほ…

カーキ色 スーツ

3年ほど前にご注文頂いたカーキ色のスーツの夏バージョンをリクエストされていて、やっと製図起こし。カーキ色とは、土埃の様な色をさし、軍服等に用いられていますが、スカートやパンツ等、ブレザーとコーディネートさせたりととても重宝なアイテムですね…

ヘリンボンジャケットの大直し

やっと袖付けにこぎ着けました。袖は身頃にぶら下げる訳ですが、服作りの工程はどこも複雑で面倒で難しいとこばかりですが、袖付けは最たる箇所ですね。1日中、付けたり外したりすることもざらでした、若い頃は。 今でも決して気の抜けない部分です。 体型…

サマージャケットの大直し

背までほどいたのは、ヘリンボン柄の縦縞が全く合っていなかった為です。背中縞柄を合わせて縫い直し、元もと背裏が付いていないので、滑りが悪く着ずらい原因でもあったため、背裏を着けた後に、肩パットを作り直して着けて、肩入れです。肩入れも縫製技術…

サマージャケットの総直し

気になってたジャケッ直しを始めたが、ほどきかけたらここもここもとエスカレートして袖を取り外し、襟、肩、背中もほどいてしまった。ついでに身返しも剥がして、芯が全く入ってない作りのジャケットだが、そのためによれよれに見えがち、、、薄い芯が1枚…

襟付け

おもに職人が作る"フルオーダー"の襟は、造っておいた衿をくっ付ける、いわゆる"サック"衿ではなく、一つひとつ積み上げて造ってゆきます。裏側にあたる部分も、ミシンでは無く手で折り曲げてから、手まつりで仕上げます。故に薄く仕上がり肩から背にかけて…

93歳は当店最高齢のお客さん

10年ぶりにご来店されたRさんは、大正15年、昭和元年のお生まれの93歳。 それまでの記録92歳を越えて、当店の新記録 10年前までは毎年のようにご注文くださり楽しまれていたとてもお洒落なお方。92歳で作られたかたとそう言えば共通点が有るな〜お出…

背広の釦二つ目は外して❗

例年4月に多く見られる、余り嬉しくない着方に昨日は、市ヶ谷の交差点で四人も1度に見かけ、昼休み時も含め余りの多さにビックリ。この時期新社会人にあっては仕方なく微笑ましい光景で、そのうち周囲から教えられて少なくるものだが、昨日のそれぞれすれ…

啓蟄の候

けいちつの候、って知ってる。毛織物を生業にしようと目指す、当店の生徒たちには知っておいて欲しいと問いかけてる。暦の上ではもう過ぎてるが、急に春めいて暖かい日が来はじめると、字のごとく庭や畑の虫が動き始める、それは室内のタンスや本棚の後ろの…

平成30年最後のご注文スーツ

平成30年最後のご注文は暗くなりかけた五時近く、自転車で来られた20代の青年。 3日前にオーダは初めてなので、生地の選び方等詳しく知りたいと来店された方。 その際、大方決めて居られたのか、すぐに決まって採寸に。あらかじめ採寸時にはシャツとお…

スーツのアイロン掛け教室

セットアンドスリーブのボックスコートを、川崎から受け取り来られたご夫妻は、アイロン掛けが大好きで、仮縫いの際にしたプレス教室の再現となった。ズボンのプリーツの仕方から始まり、一回目で解らない箇所のやり方等上着含め二時間ほどの講座になった。 …

セミノッチのチェスターコート

グレーのカシミア入りのコート、いかにも英国製らしく確り織り込んだ生地ですが、厚地割には軽く暖かそうです。丈も短くせず膝したまで、永く楽しめるデザインに。襟はセミノッチ、フロントは比翼仕立てにしてみました。

チェスターフィールドのコート

ノッチラペルのカシミア、こんなに長い毛足のカシミアは、久しく触って無かったなと感触を楽しみながら造りました。カシミアの良さは厚地の割には軽く、それでいて見た目には重量感が有り、控えめな艶が高級感を醸してくれるところで、長く飽きずに着られて…

コート

墓参で諏訪に帰省した折、夕飯をと藍屋に寄ったら、入り口で同級生夫妻とバッタリ。 入れ違いなので数分の会話でしたが、昔作ったコート未だ着てるよと感謝され良かったねと別れてたが、複雑だ。そんなにもってるのか、50年は長いなぁ、、マァ自身の愛用も3…

麻とウール混のジャケット

初夏浅き頃ご注文戴きましたがやっと完成して着て戴きました。まだしばらく着られるよと、お召しになって帰られた豊島区のお客様 。薄い裏地を用い総裏仕立てにしたので、長いシーズン着て戴けますね。やっと上着を羽織れる季節になって、気軽に着られるお洒…

モーニングコートのおお直し

娘さんの結婚式に祖父のモーニングを直して 着用しようと来店されたお客様。 立派なお体なので難しいかなと思ったが、何とか想いをかなえて差し上げればと、お引き受けして分解したら、縫い代が少なくて案の定難儀しました。けれど、大変喜んで戴き 8㎝ほど…

芯作り

職人を目指す者ににとって、指先の器用さを増す訓練に、若い頃非常に役にたったのが芯刺だった。 当時注文服の多くは手でハザシをした手作りでした。そのため大変だったが、手の動きが早くなり、指先が器用になったなと思ってます。そう思って今も生徒にさせ…

モーニングの大直し

生徒にモーニングコートは着て観て格好良く見えなければ、わざわざ着る意味がないと教えてます。脇からお尻にかけてのラインは特に大切で、燕のテールが脹らみをもってぴっと張って下がっているのが美しさを出してくれます。それ故腰にパットを入れて、内か…

葛利毛織

葛利毛織は国産の中でも非常に人気が高い メーカーです。その理由の1つは、高速織機が当たり前の時代に、昔ながらの低速織機にこだわり、丁寧に確り織っている点です。 その分一寸高く成りますが、良いものを作り続けたいという社長さんの熱意が伝わる生地…

コートの仮縫い

秋以降にと何着かコートのご注文を頂いているので、そろそろ暑くならない内に仮縫いをと仕掛かった。先着順に、暮れにご来店された川崎のBさんから掛かりました。 最近少ない、ボックス型の三枚袖。 生地は、ホーランドシェリーのヴィンテージ風のヘリンボ…

ワイシャツ

何シーズンかお召しになって、襟やカフスが 擦り切れたシャツの再生です。幸いお渡ししてあった残布お持ちになったので、同じ生地で直せました。無い場合は白にして(クレリック)納品してます。

ワイシャツ

暖かくなるとシャツ気遣いが増してくるのか ご注文も増えてきます。カーディガンも要らなくなると、衿とカフスだけしか見えなかったのが、全体が見えて来て、色や柄に気を使い出すのは自然です。 この白いシャツは、迷彩柄で大分遊びの入ったシャツですが、…

カーキ色のスーツ

カーキ色とは土ぼこりの様な色で、軍服などに用いられて来ましたが、今ではジャケットやパンツでは普通に着られていますね。が スーツとなるとぐっと少ない着方になり余り見掛けません。一寸勇気が要りそうですが、そこは迷彩服など普通に着こなす青年だから…

コート生地がロンドンから到着

頼んであったコート生地が届いた。普段の通勤中に着たいので、耐久性重視で選ばれた カシミア20%の服地です。夏から秋にかけて仕立てたいので、そろそろ仮縫いの準備に入らなくては、、、大宮のHさん、川崎のBさん、大阪のGさん、コートのご予約されたお…

埼玉県和光市のテーラーミヤサカです。スーツ・ジャケットなどの仕立やメンテナンスはホームページかお電話 048-466-3393でどうぞ。お店にご要望の生地が無い場合でもメーカーや問屋に確認してご用意いたします。